佐藤遊歩句集 2013年
【新年】
初釜や畳は青き舞台なり
椀の中宇宙の混沌雑煮かな
去年今年幽かに繋ぐ鐘の音
【春】
路地裏や人のこころ情と残り雪
読みかけの「斜陽」に栞みかん剥く
土管中アッケラカンと猫の恋
淡雪や消え入るまでの美学かな
春雨や眼を閉じ頬にしずく受け
菜の花や黄色いショール丘うねる
春雨や維新に傘は無用なり
もう一人句友加える彼岸西風
吹流し腹空っぽの逞さかな
遺伝子か地球を縦に鳥帰る
花冷えや事は安々運ばない
初つばめ人間縫ひて伺ひて
崖すみれ濃紫は登るほど
ページトップへ 【夏】
少女らの新色決まりて夏来る
溯る列島左手に初鰹
紐解けば想い出だけの粽かな
走り茶で持て成す亭主物言わず
筍を掘るは凡夫か賢人か
父の日や忘れぬ戦型四間飛車
井井と遊具の孤独梅雨葵
桜桃忌墓所への道は一直線
驕るやうあやめ絵姿恥ぢるやう
街のいま占領軍はつつぢなり
【秋】
ページトップへ
【冬】
ページトップへ