佐藤遊歩句集 2018年
【新年】
やはらかき初湯産湯の心地して
初風呂や身の丈だけの湯船かな
初富士の(まと)ふは己が白さのみ
ひび割れも思ふにまかせぬ鏡餅
指し初めは持ち駒なしの七手詰
【春】
水鳥の羽遊び春は川面から
春浅し走り竹の子出回りぬ
富士真白この象徴は退位せず
春の鐘(せな)に旅立つ芭蕉かな
桃咲きて丸く流れる江戸運河
浮き浮きと川にも(こころ)桃の花
富士隠す薄き春雲不人情
芭蕉庵四十五階は雛の家
川の無い橋の袂に深川丼
浅蜊売り江戸古地図から抜け出して
生きるとは他者を食ふこと涅槃(ねはん)西風(にし)
花に風春のやきもち月に雲
ページトップへ 【夏】
大牡丹華の宇宙を内蔵す
名刹に坐禅の容子白牡丹
しあわせは皆豆ご飯だった頃
口取は語らひのみの新茶かな
スイーツは仏下がりの柏餅
【秋】
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【冬】
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